平成28年3月10日(木)に開催された、産業常任委員会(平成28年2月定例県議会 )にて以下の内容で質問を行いました。
1.お茶の生産振興について
2.県育成の中晩柑「佐賀果試35号」について
3.農林水産物や加工食品の輸出拡大について
4.集落営農法人育成加速化対策事業について
5.オスプレイ配備等による漁業への影響について
6.九州オルレについて
うち、質問内容の一部を抜粋してご報告させていただきます。
5.オスプレイ配備等による漁業への影響について
有明海の漁業者からは佐賀空港へのオスプレイの配備により風圧でノリ養殖が影響を受けるのではないかといった声や、騒音でコノシロ漁に影響が出るのではないかといった声が多く聞かれます。今後、佐賀空港へのオスプレイ配備の判断を行うためには、こうした漁業者の方々の不安を払拭することが大事だと思っています。
※以下、質問と答弁の内容(読みやすいように一部省略しています。)
(質問)ノリ養殖期間中の冬場は強い風が吹き荒れることがあるが、冬の季節風によってノリの葉体が切れることがあるかお伺いします。
(川原水産課長)佐賀県のノリ養殖は、支柱式養殖が主流であり、有明海の干満差を利用して潮が引く干潮時にノリ網を空中に露出させて乾燥させます。この干出は、通常、1日に2回、2時間から3時間程度行われますが、その際、強い風が吹けばノリの葉体が切れる可能性はあります。しかしながら、通常みられるような季節風程度ではノリの葉体が切れるということはほとんどないと考えて良いと思っています。
(質問)次に飛行機による風の影響です。飛行場近くのノリ養殖場で、飛行機等の離発着による風の影響でノリの支柱や葉体に被害が発生したという事例はありますか。
(川原水産課長)本県においては、空港が開港してこれまで飛行機等の風による被害が発生したという事例は聞いておりません。
同様な環境で、過去に訪問した陸上自衛隊木更津駐屯地がある千葉県でも、騒音は大きいが海上での作業に特段影響があるといった話は聞かれませんでした。(質問)投網によるコノシロ漁はいつごろ、大体どのあたりで操業されているか。また、操業する時間帯はいつごろか答弁お願いします。
(川原水産課長)コノシロは有明海を回遊しているので、佐賀、福岡、熊本の有明海沿岸の全域で漁獲されていますが、主漁場となっているのは佐賀県の太良沖から島原沖にかけてと、熊本県の玉名沖周辺です。
9月から11月が漁の最盛期で、操業の時間帯は、東京の築地市場に鮮度の良い状態で出荷する必要があるため、早朝の明るくなりかけたころからお昼ごろまでとなっています。(質問)投網によるコノシロ漁は特に音に注意をしておこなっていると聞いていますが、これはどのように行われていますか。
(川原水産課長)海面付近の魚の群れを探し、魚の群れを確認すると魚に気づかれないようにエンジンを切って音を消し、櫓をこいで近づき網を投げる方法で行われます。音に神経を使う漁ですので、騒音によってコハダが浮いてこなくなる、魚の群れが逃げるといった声が上がってきているものだと思われます。
(質問)漁業者の不安の声を受けて、本県から提出した質問に対する1回目の防衛相からの回答ですが、ノリ養殖への影響については、ノリの葉体自体に影響するか触れられておらず、コノシロ漁への影響についても投網によるコノシロ漁の特徴を全く考慮していないものと感じました。3月8日に本県から提出された再質問に対する防衛省からの回答はどのような内容だったでしょうか。
(川原水産課長)
ノリ養殖に関しては、オスプレイが高度300mで飛行した際の下流気流の実測値がないことから、ノリの葉体や作業船によるノリの摘み取り作業に影響を及ぼさないかは答えられないが、オスプレイと同様に二つの回転翼を有するヘリを運用する木更津駐屯地では、その下流気流がノリ養殖の一連の作業に影響を与えたことがないこと。また、コノシロ漁に関しては、オスプレイが飛行した際の水中圧力を調査したものがないが、自衛隊の飛行活動が漁業に支障を来たすような場合は水中音圧の調査など必要に応じて適切な措置を講じるといった内容が示されました。県としては、回答内容について精査を行い、今後の対応についてはしっかり検討してまいりたいと考えています。