平成26年2月定例県議会において、一般質問を行いました。
以下の内容(7項目)について質問をさせていただきました。

1.九州新幹線西九州ルートの開業を契機とした嬉野のまちづくりについて
2.有明佐賀空港について
3.情報発信の強化による米及びお茶の販売促進について
4.有田焼創業400年事業について
5.有明海の再生について
6.農地中間管理事業について
7.県立高校の再編整備について

このうち、2.有明佐賀空港について、5.有明海の再生について、の内容を一部抜粋してご報告いたします。読みやすいようにまとめています。

その他の項目については、平成26年2月定例県議会にて一般質問を行いました(4月8日の記事)にてご報告しております。そちらをご確認ください。

有明佐賀空港について

佐賀県では、日常的な県民の移動手段としての東京便、LCCを中心とした国際線、夜間貨物便の3つを核と位置づけ、有明佐賀空港の生き残りのための利用促進に取り組んでおられます。有明佐賀空港が本県の将来発展のための基盤としてより大きな役割を果たしていくためには、これら3つの核のさらなる強化が必要であると思います。

そこで次の点についてお伺いいたします。

(1)東京増便のための取り組みについて。
政策コンテスト枠での増便を目指してきた東京便については、昨年11月、有明佐賀空港への配分が行われませんでした。その原因をどのように捉えているか。また、この結果を踏まえて、県は今後東京便の増便についてどのような取り組みをされるかお伺いをします。

【答弁】
政策コンテストというのは、正確には「羽田発着枠政策コンテストの評価等に関する懇談会」という懇談会で、提案のあった幾つかの空港の中から良かった提案について増便を決定するというものでございました。残念な結果に終わりましたが、これまでの増便というしっかりとした結果を出している実績、そして有明佐賀空港の将来性、この実績と将来性を評価する意見が出されたことも事実です。私どもとしては、この評価を踏まえて、引き続きマイエアポート運動を初めとする利用促進に取り組み、さらに高い利用実績を目指したいと考えています。

また、最近混雑してご迷惑をお掛けしている駐車場についても、無料の駐車場という有明佐賀空港の特性をさらに確実なもにしていくために、増設に向けての予算案を出させていただいているところです。有明佐賀空港がより便利になるということを県庁内にある百人チームなどを使って地元の事業所などへ営業活動を行う。あるいは別途広報活動を行って、有明佐賀空港をもっと利用していただくように努めていきたいと考えています。(古川知事)

(2)新たな国際線誘致の取り組みについて。
佐賀県では東アジア地域のLCCを中心に誘致活動を強化するとされていますが、訪日外国人観光客数が多く、また親日でもある台湾との路線は、本県への観光客の増加に大いに寄与するものを考えられます。
県は台湾との間の路線を誘致するため、どのような取り組みをされようとしておるのかお伺いをいたします。

【答弁】
昨年台湾からの訪日外国人客数は、過去最高の約221万人となっており、最も多い韓国の245万人に次いで、第2位の数字となっています。こうしたことを考えると、台湾は観光誘致の大きなマーケットの一つであると考えております。
これまでは台湾の複数の航空会社や旅行会社に営業活動を行い、有明佐賀空港の安定した気象条件や九州の各地の人気観光地にもアクセスしやすい立地条件、さらには国際線専用施設がオープンしてLCCにとってさらに使い勝手が良くなったことをアピールしてきました。何より本県の認知度をあげることは極めて重要ですので、去年の10月には新しく台湾版のホームページを立ち上げました。その結果、今年の1月末で約1万8000件のアクセス数があり、徐々に佐賀県の観光情報が浸透しているという状況になっております。
これまでの取り組みに加え、来年度は実際にパワーブロガーと呼ばれる方々に佐賀に来ていただきまして、ブログなどを通じた情報発信につなげてまいります。また、現地の複数の広告媒体を組み合わせた集中的な情報発信を行いたいと思っており、とにかく知っていただくことが何よりだと考えています。(古川知事)

(3)夜間貨物便の利用促進について。
夜間貨物便は、これまで羽田空港から有明佐賀空港への到着便と、有明佐賀空港から関西国際空港への出発便が運行されていましたが、今月(2月)から国際化が進む羽田空港との間の往復運航に変更されたことにより、これまでと違った貨物需要が期待できるのではないかと思われます。

県は、今回の路線変更をどのような受け止め方をされているのか。また今後、この夜間貨物便の利用促進にどのような取り組みをされるのかお伺いいたします。

【答弁】
有明佐賀空港の夜間貨物便については、運送会社や荷主からの要望を受け、佐賀県から全日空に働きかけを行った結果、これまで佐賀発関空行きだったものが、2月4日から佐賀発羽田行きに変更になりました。これは私どもも大変なチャンスだと考えております。佐賀空港の夜間貨物便は、九州で唯一夜間に運行する貨物便です。他の空港に比べて、空港への貨物の搬入締め切り時間が遅いことや、九州のほかの空港の始発便が接続できない羽田空港を午前中に出発する国際線に接続できること。さらには、佐賀空港が北部九州の中心にあって九州各地からのアクセスにすぐれていることなど、他の空港にはない特徴も持っています。
県としては、今回の路線変更を大きなチャンスと捉えて、有明佐賀空港利用のメリットや航空貨物の拠点としての可能性を強くアピールしながら、夜間貨物便の利用について積極的に働きかけをしてまいります。(古川知事)

有明海の再編について

有明海を宝の海として再生させるためには、有明海の環境変化の原因を究明することが最も重要であり、そのためには諫早湾干拓潮受け堤防排出門の開門調査を確実に実施するべきだと考えています。
このため、我々県議会は、幾度となく国に対して有明海再生を願う思いを伝えるとともに、開門調査の実施を求めてきたところであります。残念ながら、福岡高裁確定判決による開門期限である昨年12月20日までに開門はされませんでした。

一方、有明海の環境は近年、赤潮や貧酸素水塊が多発するなど、海域環境が大きく変化しており、漁船漁業においては、依然として厳しい状況が続いており、漁業者が安定して暮らせるよう水産資源の回復のための取り組みを積極的に実施していく必要があると思います。
有明海を一日も早く再生させるために、開門調査の実施と水産資源の回復に向けて、今後どのように取り組んでいこうとされているのか、古川知事の力強い所見をお伺いいたします。

【回答】
開門問題の解決はもとより、有明海の再生の実現のためには、関係者による話し合いが必要であると考えております。
農林水産大臣は、話し合いの実現に向けた努力は、粘り強く続けていくという旨の発言をされておられます。
一方で佐賀県側としても、努力をしなければなりません。これまでも、様々なチャンネルを通じて開門調査の実施に向けて取り組んできましたが、引き続き、この問題解決に向けた糸口を見出したいと考えているところでございます。

有明海の再生というのは、開門調査の実施と水産資源の回復の2本柱です。
有明海の再生のために、国が平成21年度から実施してきた調査や技術開発事業が、平成26年度には終了することになっております。これらを踏まえると、開門調査への立場に関係なく、有明海に面している4県の関係者が話し合いを行いながら、これまで取り組んできた事業について効果のあったもの、なかったもの、それらを総括した上で、平成27年度以降の事業の継続、拡充や、新たな視点からの取り組みなど、必要な施策の実現に向けて検討をしていかなければならないと考えております。

水産資源の確保の問題は、早急な対策を行っていくことにあわせて、平成27年度以降の事業をどのように展開していくかということについて、関係県、国としっかり協議をして、水産資源の回復に向けた取り組みを強化してまいります。(古川知事)