平成26年2月定例県議会は、2月17日に召集され、3月19日に閉会しました。
今回、以下の内容(7項目)について質問をさせていただきました。
1.九州新幹線西九州ルートの開業を契機とした嬉野のまちづくりについて
2.有明佐賀空港について
3.情報発信の強化による米及びお茶の販売促進について
4.有田焼創業400年事業について
5.有明海の再生について
6.農地中間管理事業について
7.県立高校の再編整備について
うち、質問内容の一部を抜粋してご報告させていただきます。読みやすいようにまとめています。
九州新幹線西九州ルートの開業を契機とした嬉野のまちづくりについて
(1)九州新幹線西九州ルートは、平成24年6月に長崎までの延伸とフリーゲージトレインを導入する工事実施計画が認可され、現在、県内ではトンネル工事5件、橋梁工事1件に着手され、トンネルの延長に対する堀削実績は俵坂トンネル西工区が約87%、大草野トンネルと武雄トンネルは着工工事準備中となっています。また、橋梁工事は武雄市の袴野地区で橋脚が姿をあらわしたところです。そのほか、嬉野温泉駅高架橋が入札準備中となっており、これを含めると工事延長約17.8キロメートルのうち、約12.8キロメートルで工事に着手されることになり、おおむね8年後の開業に向けて着実に整備が進められていると思います。
新幹線の開業は、佐賀県に人を呼び込み、地域活性化させる好機であり、そのためには1日でも早く開業させることが重要ではないかと感じています。
また、西九州ルートでは県内で唯一新駅として嬉野温泉駅(仮称)が設置されることとされており、予定地周辺では嬉野市において昨年12月に土地区画整備事業の件の事業認可を受け、今後、新幹線開業に向け、駅前の整備が進められると聞いております。
早期開業については、平成24年6月の工事実施計画の認可において、西九州ルートの開業は認可の日からおおむね10年後とされています。
2月27日、与党整備新幹線建設推進プロジェクトチームの第7回会合が行われ、いろんな具体策を協議し、政府に提案をするということになっているようです。この工事短縮に向けて予算の確保を国に求めるなど1日も早い開業を目指すべきだと考えますが、知事の所見をお伺いいたします。
【答弁】
九州新幹線西九州ルートの開業により、地域の活性化が大きく期待されると考えております。また、西九州ルートの開業は、佐賀県から全国が注目を集める絶好のビックチャンスであると考えております。
予定通りいけば2022年、平成34年の3月ぐらいに開通が予定されています。この年(翌年度)には、国体と全国障害者スポーツ大会が予定されています。それに間に合わせるためにも、今のタイムリミットより1年でも2年でも早く完成させたほうが、新幹線を使って佐賀県を旅していただくことに充分な周知に繋がるのではないかと思っており、早期の開業、できるだけの前倒しは極めて重要だと思っているところです。(古川知事)
(2)嬉野のまちづくりについて、これまでになかった新しい交通手段である新幹線の駅が設置される嬉野市においては、新幹線の開業は地域の活性化を図る絶好の機会であり、開業効果を生かすために県が市と連携してまちづくりにかかわっていく必要があると考えますが、知事のお考えをお聞きいたします。
【答弁】
今般、新幹線嬉野温泉駅の開業に向けた県と市のそれぞれの窓口を一本化いたしました。そして、お互いに情報交換をし、意見交換をしていきながら嬉野にとっての望ましいまちづくりはなんなのか、ハードだけではなく商業、観光、さらには農業や景観といった多くのソフトの分野を含め、県と市のそれぞれが部局の垣根を越えて、これまで以上に親密に連携しようということで合意をみているところです。(古川知事)
情報発信の強化による米及びお茶の販売促進について
最近の米を取り巻く情勢は、消費量は減少しているものの、各地で品質の高い米づくりに取り組まれており、今後さらに山地間競争は激化していくものと感じております。また、嬉野茶という銘柄で全国に流通しているお茶に関しても、担い手の高齢化が進行するとともいに、ペットボトルなど、安価なお茶の需要が増大しており、生産農家の経営状況は大変厳しくなっている状況です。
こうした中、お米では一般財団法人日本穀物検定協会が行う食味ランキングにおいて、最高位の特Aにさがびよりが4年連続で選ばれるとともに、コシヒカリが初めて選ばれました。また、お茶についても、平成25年度の全国茶品評会において、嬉野市が蒸し製玉緑茶部門で5年連続、釜炒り茶部門で3年連続の産地賞を受賞するとともに、蒸し製玉緑茶部門では、生産者、個人が5年連続水産大臣賞を受賞されました。
本県で生産された農産物や加工品が全国的に高い評価を受けていることや、日本食材への関心が高まっているなかで、県産のお米やお茶の販売促進の好機を迎えており、今後の取り組みに生かさない手はないのではと思っています。行政関係ははもとより、農業団体や関係業者など、官民が協働してこれまで以上に全国へ向けた情報発信を強化し、有利販売を行うことで生産者の所得につなげ、産地を元気にできないかと考えています。
県では今後、こうしたお茶やお米の情報発信の強化による販売促進に向けどのような取り組みをされようとしているかお伺いします。
【答弁】
今年度からは大手の代理店を通じて、テレビや雑誌などのマスメディアに対して県産農産物に関連した情報を効果的に提供して、露出拡大を図っていく取り組みを始めました。その結果、お米やお茶を初めとする県産の農産物がテレビの人気番組などに取り上げられるんまどの成果があわられ始めました。ひねりを加えたPR手法についても、専門家の知恵をかりながら研究してまいりたいと思います。
お米やお茶は、本県の主要品目のひとつでございます。受け手に響くような効果的な情報発信に取り組み、そのことが生産者の所得の向上や産地の活性化、そして、佐賀県の認知度向上とブランドイメージの向上につながっていくよう努めてまいります。(古川知事)
有田焼創業四百年事業について
日本磁器発祥の地であります有田焼は、2年後の2016年、平成28年に創業400年を迎えます。長期にわたる景気の低迷や大口ユーザーの事業縮小など様々な理由により、売上高はピーク時の5分の1まで落ち込み、有田焼産地は大変厳しい状況が続いています。
ぜひ、この有田焼創業四百年事業を成功させ、有田焼を次の100年につなげていくためには、メーカー、商社、陶土製造業などの業界関係者はもとより、県や関係市町が互いに連携を図り、意識改革を行い、産地の生き残りに向け一丸となって取り組んでいくことが必要であり、産地が本気にならなければ、次の100年はないと私は考えています。
産地再生のためには、海外展開のように、限られた事業者の取り組みだけではなく、産地全体で取り組むことが重要であり、国内での市場開拓にも取り組んでいく必要があると思います。古川知事の産地再生に向けた意気込みをお伺いしたいと思います。
【答弁】
県においては、この2016年、平成28年を目標年次として、有田焼創業四百年事業を推進しています。昨年の9月に佐賀県プランを策定しました。まずは世界のトレンドをリードするヨーロッパでのリブランディングや市場開拓に重点を置いた取り組みを行いたいということでスタートを始めました。ヨーロッパで評価されている有田焼という実績を引っ提げて、国内にも展開したいと思っているからです。
また、2020年オリンピック・パラリンピックの東京開催、和食の無形文化遺産の登録など、陶磁器の業界にとって新たな市場開拓のチャンスとなる状況が、一方で生まれてきております。平成26年度におきましては、海外展開だけでなく、国内の旅館や料亭、ホテルなどをターゲットに新たな和食器を開発して、国内市場での需要喚起、拡大につながる事業にも取り組んでいくこととしております。
伊万里、有田焼産地が今日の危機的状況を早く克服して、本県を代表する、そして、日本を代表する地場産業として、将来にわたって発展し続けていくことが出来る様に、関係市町と連携をし、産地の関係者の皆さんと一体となって、これからも全力を尽くしてまいります。(古川知事)
農地中間管理事業について
農地中間管理機構については、都道府県段階に一つ指定し、農地中間管理事業を実施することとされていますが、この創設の狙いは何か、また、機構の農地の借り受けや貸し付けの具体的な手順はどのようになっているのでしょうか。
次に、市町や農業委員会の役割についてです。
農地の貸し借りの推進については、これまでも、地域段階の市町や農業委員会、農協が農業者と調整を行いながら、取り組まれてきたところであり、今回の農地中間管理事業の実施に当たって、市町や農業委員会の役割はどのようになっているのでしょうか。
次に、機構を通じた農地の貸し借りにより、担い手の農地集積を進めていくためには、農地の出し手に対する支援が必要と考えますが、どのような支援措置が設けられているのでしょうか。
最後に、本県においては、今回の農地中間管理機構を活用して、どのような農業を目指していこうとされてるのか、以上4点ををお伺いします。
【答弁】
まず、農地中間管理機構の創設の狙いなどについてです。国は、高齢化などによる農業従事者の減少が進む中で、担い手への農地集積の促進や農地の有効活用等を進め、生産性の向上や耕作放棄地の発生防止、これらを狙いとして、各都道府県段階に農地中間管理機構を新たに創設するとされたところです。
次に、農地の借り受け、貸し付けの手順についてですが、農地中間管理機構が、離農や経営の縮小を希望する農業者から農地を直接借り受けて、貸し付け者を公募して募集をします。そして、機構において、あらかじめ定めている貸し付け決定ルールに基づいて、市町農業委員会などと調整を行いながら、貸し付け希望者に農地を貸し付けるという手順になっています。
次に、農地中間管理事業の実施に当たっては、農地中間管理機構として指定を予定している佐賀県農業公社が、農地や農業者の情報を最も把握している市町や農業委員会、さらには農地利用集積円滑化団体である農協等に必要な業務を委託することとなります。
次に、農地の出し手に対する支援については、機構集積協力金という支援措置が措置されることとなっております。これには地域に対する支援と、個々の出し手農家に対する支援の2つのタイプがあります。
最後に、機構を利用した目指す農業についてです。県としては、今回の農地中間管理機構の設立を契機として、その支援事業などを積極的に活用しながら、担い手にまとまった形で農地を集積することにより、全国でも、最も生産性が高い佐賀農業の実現を目指してまいりたいと考えているところです。(古賀生産振興部長)
県立高校の再編整備について
佐賀県教育委員会では、昨年11月14日に新たな生徒減少期に対応した佐賀県高等学校再編整備実施計画のたたき台を公表し、関係地区別の説明会を開催されました。
このうち、嬉野地区の説明会は2月6日に開催され、平成30年度までに塩田工業高校と嬉野高校を再編統合する県教育委員会のたたき台としての考え方に対して、参加者からさまざまな意見や要望があったと聞いています。私自身も地元関係者から色々な意見を聞いています。
その中で、嬉野高校は西部地区で唯一の総合科学が設置されていること、また、塩田工業高校は工業高校として地場産業に必要な人材を育成しており、両校とも特色ある学校として地域において大変重要な存在であることなどから、再編統合ではなく両校を残していただきたいという要望が、非常に強いものがあります。高校存続の有無は、そのまち、地域にとっては死活問題であります。
いずれにしても、県立高校の再編については、全ての人が納得できる解決策を見出すことは難しい問題であると思ってます。それだけに、県の教育委員会は重く受けとめていただき、じっくり時間をかけ、協議を行いながら、丁寧に進めていく必要があると考えます。
2月6日の地区説明会は、周知の徹底が十分ではなかったという意見が多くありました。天候も悪く、参加者も少なかったこともあります。いま一度地区説明会を開催していただき、地域の声をしっかりときくべきだと私は思いますが、今後どのように進めていかれるかお伺いいたします。
【答弁】
塩田工業高校と嬉野高校の再編を主要なテーマとし、嬉野地区の地区説明会を2月6日に嬉野市公会堂で開催しました。寄せられた意見は、集約、整理して、近く嬉野市へ示して、改めて説明し、意見や提言を伺うことといたしております。
嬉野地区については、雨の降る荒天で参加者の集まりも難しかったという事情も承知し、できるだけ早い時期に、再度説明会を開催する方向で調整したいと考えております。いずれにしましても、地元の事情や心情に意を用いて、また、嬉野市とも十分協議しながら、慎重に、そして丁寧に進めてまいります。(川﨑教育長)