令和5年9月定例県議会の閉会にあたり、最近の動き、提案事項などについてご報告申し上げます。 

「令和5年7月九州北部豪雨災害」により、唐津市浜玉町平原・今坂地区で発生した土石流で犠性になられた3名の方に謹んで哀悼の意を表し、ご冥福をお祈りいたしますとともに被災された方に、心からお見舞申し上げます。8月30日には「令和5年7月九州北部豪雨災害」が、国からの支援が手厚くなる激甚災害に指定されました。一日も早い復旧復興が望まれます。
今回の補正予算案の編成では「令和5年7月九州北部豪災害」への対応を柱に、早急に措置を要するものについて所用額を計上しています。その総額は、既定の予算額と合わせますと本年度予算総額は一般合計約5,624億600万円となりました。

7月28日に開港25周年を迎えた、九州佐賀国際空港は4月2日に台北便が運航を再開し(再開セレモニーに私も佐賀県議会日台友好促進議員連盟会長の立場で、テープカットをいたしました。)これまで搭乗率が約9割と多くのお客様にご利用いただいています。そして9月6日には上海便が、8日にはソウル便が相次いで運航が再開されました。上海便やソウル便をコロナ禍前の運航便数を完全復便させ、県内インバウンド誘客を促進していくため、今議会で必要な予算が成立いたしました。当面の諸課題への対処方針のうち、九州新幹線西九州ルートについては、昨年9月23日に開業して1年が経過いたしました。開業後は長崎からの宿泊客が増加するなど、観光面で好調な働きが続いています。ただ県内の宿泊施設においては、コロナ禍での離職による人材不足が新たな課題になっています。県では先を見据え、宿泊施設の高付加価値化に取り組み、人材不足の中ででも客単価が上がり利益率の向上に寄与したとの声もあります。引き続き、人を惹きつける、そこにしかない地域資源の磨き上げと、その発信に取り組む市町や地域を後押しすることになっています。一方、嬉野温泉駅での停車本数が少ないなどの課題についてはJR九州に対して、利用者の目線に立ったダイヤ改正を求め沿線市町と利便性の改善に取り組むことになっています。

県立大学の設置については、大学進学先の不足による人材流出という佐賀県特有の問題に、直接アプローチすることが出来る施策であり、6月議会では特別委員会も含め、県立大学に関して様々な意見が出され、今議会において、検討のたたき台として「基本構想(素案)」が示されました。知事からはこれからの時代にふさわしい大学を作るため、今後とも幅広く意見を聴くとともに丁寧な情報提供に努めるとの提案がなされました。

終わりに、ここ数年全国各地で線状降水帯の発生による、集中豪雨が甚大な被害をもたらしています。気象条件がこれまでとは全く違って来ています。このような豪雨が毎年どこかで起こる状況にあることを、胆に命じるべきだと思います。皆様方とともに安全・安心な佐賀県づくりのため、引き続き頑張ってまいります。
県民の皆様のご協力・お力添えをお願いいたします。

佐賀県議会議員 石井秀夫